能について
最近知り合った学生の趣味が能だったため、早速本を読んでみた。
僕は「歴史は最大の批評家」という言葉を信じていて、長きに渡って愛されている・存続しているものには深い価値があると考えている。例えば古典と呼ばれる本や、クラシック音楽等がそうで、ちゃんと関わってみると素晴らしさを感じる。能も650年も続くということは僕が知らないだけでそういったどの時代にも当てはまる・愛される価値があるだろうと推測できる。
本を読んだ感想
能には4つの転換期があった。具体的には①豊臣秀吉、②徳川綱吉〜吉宗の時代、③明治維新後、④戦後、だ。特に①の豊臣秀吉はそうとうな能道楽者だったらしく、パトロンとしてかなり優遇した結果、薄い着物から豪華絢爛にものになったとのこと。クラシック音楽でも絵画でもそうだが、豪華絢爛な文化にはパトロンが必要であるところに共通点を感じる。もちろん庶民的な文化同様に素晴らしいが、貴族的な豪華絢爛も存在し、融合していくことで文化は進化していくと思う。
②の1700年〜1750年ごろには、武の時代から、文に時代に徳川綱吉が転換をしたらしく、神事として能が採用(式楽化)されたらしい。こうなると儀礼的になっていくのだろう。綱吉については生類憐れみの令しか知らなかったが、文化の時代へと転換させたというのは良い統治と思うため、今度調べてみたい。
③はまあ、岩倉具視が頑張って能を保存したとのこと。④は戦後も苦労したという内用だ。ここはあまり心に残る点は無かった。
総論として、織田信長に代表されるエグゼクティブが学んでいたという点に心惹かれる。絶えず命の危険に晒される戦国時代に愛されていたということは、心の落ち着きを得られるものと思われる。これは流行りの瞑想やマインドフルネスと同様の効果を得る可能性があるため、アーユルヴェーダと同じ効果が見込まれ、その点には興味がある。そして本を書いて印税で儲けよう。タイトルは決まっている「外資系コンサルタント式、成功するための能のススメ」だ。バカ売れ間違いなし