【書評】量子論を楽しむ本
最近の素粒子ブームに従い、昨日はこの本を読んだ。
まず大きな学びとして、量子論、量子力学はそれぞれ異なることがわかった・
・量子論は、ミクロな世界に始まって自然界全体の仕組みがどうなっているのかを表した「考え方」や「思想」
・量子力学は、量子論に基づき 物理現象を記述するための「数学的な手段」
「量子論」に限らず〜論とつくものはすべて考え方や思想なのだろうか?例えばマキャベリの君主論も考え方や思想といえる。物理現象を記述するとなると〜力学になるのだろうか?よくわからない
さて、この本では量子力学の歴史から学ぶことができた。
1900年12月のクリスマスパーティでマックスプランク研究所で有名なプランクが、量子論の概念を打ち出した。17世紀から光の本質が議論されており、光が波か粒子かでもめていた。その時までは波という意見が大多数であったが、波であるとするとどうしても説明できない部分があり、プランクがその口火を切った。
その後1905年にアインシュタインが光量子仮説を立て、光が粒子であること証明された。ちなみにアインシュタインは特に光量子仮説が評価され、ノーベル物理学賞を受け取った。
それに続き、電子の正体についての研究が行われ、電子も光と同じように干渉が起きることが実験で明らかになり、電子も光(光子)と同様波であると同時に粒子でもあるという性質をもつことが証明された。ただ、波である光子・電子を観測することはできず、観測したとたんい波が消えてしまい粒子になる。不確定整理が起きる。
非常に不思議な話だが、量子論は本当に理解している人は誰ひとりとしていない、とファインマンが言うくらいに現実世界(古典力学)との乖離が著しいので、そういうものとわりきってみな考えているらしい。アインシュタインは量子力学の確率論には反対してた。というのも物理は決定論であるという信念が強かったからである。
この本は若干数式が出てきて、シュレディンガー方程式などが出てくる。ちゃんと理解してはいないが、あとで理解できるようになりたい。
量子力学・素粒子の本はこれで二冊目。10冊くらいは読みたい。なんとなくだが、いきなり数学的な証明に向きあうより、歴史や概念から向かい合って、最後に数式と向かい合った方がアプローチとして良い気がする。解けるようにはなりたいけど、最優先ではないから。
このアプローチは初めてだけど、10冊位素人向けの本を読んで、概念的な理解を深めたところで、数学的な部分に向かい合ってみようと考えている。