ストックとして妻の信頼を積み上げることでフローとの違いに気がついた

 結婚して一年半経った。33歳まで一人暮らしをしていた僕にとってかなり育ちの違う女性と一緒に住むことは大きなストレスであり、心理カウンセラーにも相談するほど限界だった。一時期は離婚も已む無しと思うこともあり、結婚半年で離婚した先輩もいるのでこういう気持ちだったんだなと共感できた。

 とはいえ、今までの人生でも部活や船での生活で辛いことはあったが辛いことと向き合うからこそ成長できたのも事実だった。例えば高校生時の部活も二年生でやめようと思ったが、あるときから急に楽しくなり引退時には好きになり、続けてよかったと思えていた。この経験から「辛いから逃げる」という言葉への信頼が揺らいだ。その結果、もちろん倒れるほど無理してはいけないが辛いことから逃げてもいけないと信じる様になった。そのためこの結婚生活も非常に辛いが倒れるまで頑張ろうとは思い取り組んできた。

 

 結婚と恋愛ではゲームが違うことに気がついた

 途中で妻からの信頼を積み上げることが大切だと思うようになった。恋愛は好き嫌いで決まる。好き嫌いは「一目惚れ」という言葉がある通り時間は必要ない。しかし信頼には時間が必要だ。つまり、恋愛は好き嫌いのフローのゲームで結婚は信頼のストックのゲームであり、全く異なっていることがようやくわかってきた。

 若い頃はストックよりフローが重要だ。例えば新卒社員は貯金するよりお金を使っていろいろな経験を積んでより大きなフローを稼げるように自己研鑽を積むことで、より効率的にストックを築くことができる。年収500万で20年貯金をするのと、年収1000万で15年貯金するのはどちらが良いかという話だ。僕はそう考えてあまり貯金をせずに生きてきたし、それは成功だったと確認している。しかしフローを用いてフローを増やせなくなってくるとストックを貯める時期に来たといえ、思えば僕もその時期に来たのを感じている。

 

 恋愛にしろキャリアにしろフローを重視する生活を送ってきた

 貯金せずに自己投資(一部消費を含む)を行い年収を増やすこと、また一時的な恋愛を繰り返すことで女性との付き合い方を学ぶことは、ストックを築くためのフローを増加させる戦略だ。フローを追い求める生き方は旅人の生き方だ、いつまでも良い経験を求めて何を築くわけでもなくさまよう生き方だ、そして人は年を取る。遊牧民のように一生旅をできる人もいるのかもしれないが、33歳の時にいつまでも旅を続けられないと感じ、ストックに目を向ける必要があった。

 キャリアについては確かに年収を増やし良い役職につくことができた。しかし新卒から同じ会社で信頼を気づいたり顔なじみを増やすというストックを築くことはできなかった。なので一年半ほど前に長く務められそうな会社に転職した。ここでは年収もあるが、長く努めていろんな人との信頼を築くことを重要視している。

 

ストックはフローと異なり築いたものが大きく、それならではの安定感が強み

 また恋愛においては一年半前に結婚して家庭というストックを築く決断をした。その第一歩が妻との信頼を築くことだと最近わかり、徐々に妻が柔和していくのを感じている。ストックには積み上げたモノという大きいという特徴があり、同時に安心感が伴う。これがフローとの大きな違いだ。妻の信頼を築く中で徐々に積み上げたモノならではの大きさを感じはじめ、ストックの強さを実感するとともに悪くないと思えるようになった。