一人残された独身同期を見て、自分は置いていく側で良かったと思った

同期会で一人独身の女性は二次会に行きたがったが解散した

 新卒の同期会として4人で飲みに行った。僕を含む男性三人は既に結婚しており、一人で参加していた女性は結婚していなかった。飲み会は久しぶりということもあって話がはずみとても良い会で、一次会が終わったのは21時半と二次会にいくのにも悪くない時間だった。独身の女性は一次会が終わる流れないなったら当然のように二次会のバーを隣で探し始め、僕も独身だったら確実に二次会に行っていたので、大きな変化を感じるとともに、彼女とはライフステージが違うんだなと思った。僕は妻が寂しがるので早めに帰りたかったので、その旨を伝えたところ一次会で解散する流れになった。

 

寂しそうな彼女をみて、おいていく側で良かったを思った。

 男だったら「いいじゃん、独身に付き合ってくれよ!」という言葉も出ると思うが、そのあたりは女性の方が気遣いができる。彼女は寂しそうな顔をして文句も言わず解散することに同意した。そんな寂しそうな顔をした彼女を見て、僕も今の妻と結婚していなかったら今も独身で彼女と同じ立場になり、逆に彼女が結婚している可能性が十分があったのでその寂しさには強く共感し、寂しさを感じた。それとともに僕は彼女よりライフステージを進め置いていく側になれてよかったと思った。僕の哲学として、置いていかれる側よりは置いていく側になるべきと考えている。いつまでも子供ではいられない、なので今回は置いていかれなくてよかったと思った。

 

35歳の独身女性がキャリアの話をしてもどこか寂しさがつきまとっていた

 彼女は恋愛の話もしていたが、海外支社への転籍の可能性についても語っていた。もともと海外勤務への思いが強かった彼女なので、さぞかしワクワクしていると思いきや、かつてほど海外勤務に対する思いが強くないように見えた。そして僕も20代後半の時のように彼女の話に興味を持てず、これがライフステージの違う人同士の会話かと初めて実感した。海外勤務の話をされてもライフステージが違う人だと「いまさら?」という思いがどことなく場によぎっていた。

 

かつて大切にしていたものが大切に感じられなくなったと気づいた瞬間は悲しい 

 おそらく彼女も話しながら自分の中にある悲しさを感じていただろう。長い間秘めていた熱い思いを失うこと、失ったことに気づくことはとても悲しいことだ。海外勤務をするのであればもっと自分の中で熱い時期に行ければと良かったと感じているように見えた。そしてそれは僕もなり得た未来の一つだったのでなおさら理解できて悲しかった。

 というのも、30歳過ぎにAIコンサルのスタートアップに転職することを本気で考えていたが、おそらくうだつが上がらずに激務にとりくむことになり、結婚を考えることもできず彼女と同じような立場になっていた可能性はとても高かった。今考えるととても悪い選択だったので、当時コンサル時代の友人に相談して止めてもらったのは今でも感謝している。

 友人を置いていくのは悲しい。だからといって置いていかれる側にはなりたくないので、ただただ人生で経験するべき悲しみに直面し、改めて理解できた同期会だった。